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a)260mm試験エンジン
クランクケースの1スロー分を取出し、板(シェル)で構成されたモデルとして、3次元FEM解析により応力評価を実施した。
この結果、最大主応力および最小主応力ともに応力レベルは低く、第1ステップの運転試験では問題ないことを確認した。(図79、80)

 

b)320mm試験エンジン
試験エンジン運転時の機関振動およびクランクケースに発生する動応力の計測を実施した。
振動と応力の実測データの比較により、回転1次のλ型振動と動応力の間には、相関関係が認められることがわかった。
1,000rpm時におけるX型振動による動応力は、最大でも0.2kgf/mm2であり、許容値の9.6kgf/mm2に対し十分な余裕があった。
また、最適バランス率の採用により動荷重による振動は低下するため、プロトタイプエンジンにおいても問題ないことがわかった。(図81)
プロトタイプエンジンの軽量化およびコンパクト化には、クランクケースの形状、材質およぴ肉厚が大きく影響する、
このため、シリンダピッチを短縮し、かつ、肉厚を低減したモデルについて、3次元FEM解析を実施した。(図82、83)
この結果、代表的な寸法であるクランクケース外板の肉厚を現状25mmから20mmに低減可能なことがわかった。
これにより、プロトタイプエンジン用クランクケースの重量は、従来の17.3tから12.1tに軽量化できることがわかった。

 

3.10 動バランス検討

 

a)260mm試験エンジン
エンジンの高回転化を実現するためには、不釣り合いによる起振力を極力小さくする必要がある。このための、運動部品の最適なバランス率が存在する。
従来型と今回採用した軽量型のピストンおよび連接棒を使用した場合について、振動計測を実施した。

 

 

 

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